From:山川晃弘
先日、特撮好きの友人に
『怪獣酒場』という店に連れて行かされ…
来店した時の話。
どうやら、この『怪獣酒場』は、
ウルトラマンに登場する悪役の怪獣たちが
ウルトラマンに負けた腹いせに、
商売の方で憂さを晴らしてやると言って
運営している酒場、というコンセプトらしい。
とはいえ、別段、店員が
怪獣の着ぐるみを着て、
店内を割拠しているわけではないのだが、
店内には、マニアを喜ばせる
色々な工夫がなされている。
まず入り口には、いきなりだが、
入店お断りの対象者を説明させられる。
イタリアにある真実の口に模した
通称『ジャミラの真実の口』というものがあり、
地球防衛隊員の方とヒーローに変身できる能力のある方は
入店お断りらしく、
隠していてもジャミラの口に手を入れて、
ダメな判定が出ると(←見たことないけど)
入店拒否されるらしい。
入り口から非常に面白い取り組みである。
僕はヒーローではなかったらしく(残念)、
無事に店内に入ると、
BGMの代わりにウルトラマンが放映されているが、
シーンは怪獣が優勢になっている時のみのものらしい。
この手の特撮は、
①怪獣登場⇒
②ビル破壊とか劇中で悪いこと開始⇒
③地球防衛軍頑張るが歯が立たない⇒
④ウルトラマン助けに来る⇒
⑤怪獣の攻撃ターン(優勢)⇒
⑥ウルトラマンピンチ(3分タイマーとか鳴りだす)⇒
⑦なんだかんだで最初から使えよと思われる必殺技炸裂(スペシ○ム光線とか)⇒
⑧怪獣(あっさり)倒される
という流れなので、
①~⑥までの怪獣の見せ場だけが延々と流れているらしい。
また、カウンター前には、
ウィンドウショーケースみないな中に
怪獣のフィニュアが所狭しと並べられている。
席に着くと、
すでに箸置きと皿が置いてあるのだが、
この2つには、この店の店長である
バルタン星人店長が描かれており、
箸置きについては、
お通し代としてお持ち帰りしても良いとのこと。
(僕はいらないがマニアには嬉しいプレゼントだろう)
ちなみに皿の方は入り口近くの売店で購入可能だ。
メニューを見ると、案の定、
怪獣名を模したメニューが並んでいる。
だが、さすがに何の食材を使っているかは、
わかるようになっているあたり、
あまりにもコアなファンだけが対象と言う訳ではないらしい。
※
以前、ガンダム酒場というのに連れて行かされた(←これも)
ことがあるんだけど、その時は、
メニューに「紅い彗星」っていうのがあって、
とりあえず頼んだら、ドンペリが出てきた。
(↑正直、わかる訳あるか!と思った)
後の対応は至って普通。
こういうコンセプトの店では、値段が高く
質もあまり高くない料理が出てくるがそんなことはなく、
意外にも良心価格で料理もおいしい。
イベントとしては、
たまにバルタン星人店長(の着ぐるみ)が、
徘徊するイベントもあるらしい。
この店は開店当時、
もの凄い反響を呼んだ。
今は強い要望で通年営業となったが、
当初は期間限定での営業と言うことで、
日本に一店舗しかなく、
そこに集まる特撮好きの者たちにより、
連日行列で、3~4時間待ちは
当たり前のような状態だった。
特撮の怪獣好きという
ターゲット層に見事にマッチさせたコンセプトで、
ニッチな市場に訴求したとても良い成功例である。
自分の仕事をニッチ化させることはとても大事。
競合と差別化できるからだ。
また、顧客リストは「量より質」が大事。
たくさんの反応の薄い顧客がいるより、
少数でもあなたのことが好きなコアなファンがいる方が、
あなたの事業に大いに貢献してくれるだろう。
山川晃弘